生来の行き当たりばったり型である。気分でものを決める、典型的なB型気質だと指摘される。
 キャンプや釣りに行くのも、ずっと前から計画したり、予約を入れたりすることはまずない。金曜日の夜、天気予報官の「明日は高気圧に広くおおわれ、風もなく穏やかな晴天が続くでしょう」などというコメントにピクリと反応し、「よし、明日はキャンプだ!」「船を出すぞ!」というような週末を送ってきた。ずっと前から予定していた日がいい天気、いいコンディションに恵まれる確率は極めて低く、無理に天気の悪い日に出かけるより、条件のいい日を瞬間的に選んでアウトドアに出かけた方がすっと楽しめる、というのが理屈である。ひどいときになると、明け方にトイレの窓からほのかに明るくなってきたオレンジと紫のグラデーションの空を見上げて「う~ん、今日はいい天気だ! 出かけるぞ! 起きろ!」と家族を起こして回ることもある。当然、大ひんしゅくである。
 こうした気分屋の理屈は、いかにももっともな感じがするが(私だけ?)、実は実現性に乏しいという致命的な欠陥も持っている。突発的に気分が盛り上がっても、実際に出かけるに至るまでの様々な難関の前に、あえなく挫折してしまうことが多いのである。家族の猛反対にあったり、キャンプ道具を友だちに貸したままだったり、その日は親戚の結婚式だったことを思い出したりなどなど…。結局、出動回数を増やすためには、計画的に行動する方がいいということが50年近くかかってやっとわかってきた。
 手帳術のノウハウ本には「とにかく予定を手帳に書き込みなさい」とある。いったんその日にアウトドアの予定を書き込めば、物理的にほかの予定は入らなくなる。最近は過去数年間の天気などもインターネットなどで見ることができるので、晴れの確率の高い日を選んで「○×キャンプ」と書き込んでしまうのである。家族や友だちにも振れ回り、みんなの手帳にも書き込んでもらおう。そうすれば、こっちものものである。
 というわけで、人生47年目にして初めて年間計画を立ててみた。
■3月22日(土)~23(日)
 野外料理バトルキャンプ(熊本県・川辺川)
■5月3日(土)~6日(休)
 カヌーで川下りキャンプ(宮崎県・小川)
■7月19日(土)~21日(休)
 無人島キャンプ(熊本県・御所浦)
■9月13日(土)~15日(休)
 スターウォッチキャンプ(大分県・久住高原)
■10月11日(土)~13日(休)
 シーカヤックで島巡りキャンプ(長崎県・九十九島)
■11月22日(土)~23(日)
 しみじみ焚き火キャンプ(鹿児島県・坊津)
 ねえ、楽しそうでしょう。さあ今年、あなたはどうする?







アウト道(22)

立てよう!年間計画

まずは手帳に書き込むべし

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