刈払機の威力は凄い。2時間足らずで「ジャングル」は「荒野」に変化していた。
見渡してみると、思っていたより広い。それに南側の視界が一気に広がって、とても気持ちのいい空間になっていた。
この土地には栗の木が4本ほど植っていて、鈴生りに栗が生っていた(10月の話です)。足下にもいたるところにイガイガがころがっている。いっかり手や尻をつこうもんなら「ヒッ」と声を上げなければいけない。実際、森君は何度か被害にあった様子だった。
「イノシシに喰われんうちに、拾うてしまわにゃ」と松永さんにアドバイスされたことを思い出し、両足でイガイガの外側を踏み付けて“プリッ”という感じで栗の実を回収し始めた。こういう単純作業は、妙にハマルものである。またまた時の経つのを忘れて栗拾いに没頭する。
「畑はこのあたりかなぁ」
目につく栗を拾い尽すと、今度は畑のことが気になってきた。 無邪気に、竹で四角く囲って、完成予想図を頭に描いてみる。
急に楽しくなってきた。やっと晴耕雨読の生活への第一歩を踏み出した気分だ。水も引っ張ってきたい。畑の柵も眼鏡にしなければいけない。作業に使う道具を入れておくロッカーみたいなものも作ってみたい。気分のいい場所だから、できればテーブルとイスくらいは置いて、食事ができるようにもしたいものだ。夢はどんどん広がる。
さあて、 2003年は楽しくなりそうだ!
(つづく)
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