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第09回 2002年12月21日掲載


開拓開始

 いよいよ開拓の始まりである。
 カメラマンの新川さんが、自前の刈払機持参で参加してくれることになった。こちらは、鹿北町役場から刈払機を1台調達して、現地に臨んだ。

 やはり、状況は壮絶である。特に畑を作る予定の場所は、ジャングル状態。中に入ると人影も見えなくなってしまう。いったい、どうなるのか、どうなっているのか、不安と少しの興奮を胸に、刈払機のエンジンを指導させた。

  刈払機を扱うのは初めてである。使っている姿は良く見かけるので、どう扱うのかは分っているつもりだったが、それでも最初は木の根っこに刃を食い込ませたり、草やつたを刃に巻き込んで動かなくしてみたり、それなりに悪戦苦闘が続いた。

 それでも、10分もやっていると要領がつかめて俄然面白くなってきた。新川さんとふた手に分かれて猛然と草を刈っていったのだが、自分が歩いた後に確実に道ができていく感触は、何とも気分のいいものだった。
 目の前には身長よりも高いような草が生い茂っているが、ふと振り返ると後方には視界がひらけているのである。

 あんまり一心不乱に続けていたので、時間の経つのも忘れていた。長時間連続で使っていたので、手が痺れ、小学校の時に習った「ハクロウ病」みたいにな状態である。
 しかし、根を詰めたお陰で、2時間足らずで畑一帯の全容が明らかになりつつあったのである。

(つづく)

▲まずは新川さんに刈払機の使い方を教えてもらう


▲「こりゃ、すごかねぇ〜」。苦笑する新川さん



▲ご覧の通り
、歩いた後に道ができる。この道を広場に広げなくてはいけない


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