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写真提供/佐賀県芦刈町
顔はグロいが味は絶品


別名ジンキチ。ムツゴロウにジンキチ。有明海の生物はへんな名前のものが多い

 

干潟の恩恵を受けてきた有明海も、今は揺れに揺れている。一日でも早く元の有明海に戻ってい欲しいと願うのは、この海を生活の場としている人々だ




■取材協力・写真提供
佐賀県芦刈町
http://www.saganet.ne.jp/
ashikari/index.html

佐賀県川副町
http://www.saganet.ne.jp/
kawasoe/index.html

 今回ご紹介するのは、日本では有明海にだけ生息するという、うなぎのような魚「ワラスボ」だ。
 体長は大きいもので約30cm。一番の特徴は、退化した目と剥き出しの歯。外見のインパクトはものすごい。
「潮干狩りに行って、ワラスボを初めて見た女性が、卒倒したっていう話もあるんですよ」
  とは、今回も取材をお願いした、川副町役場の吉富さんの談。
  しかし、何ごとも決して、見た目だけでは判断できないもの。ワラスボは、栄養価の高い食材として、地元では珍重されているのだ。
「スボ(ワラスボ)は、カルシウムが豊富なんですよ。妊婦しなった女性へ、栄養をつけるように贈られるほどだけん。最近は少なかですけど。私も昔もらいましたしね」
 しかし、どんな料理法があるのだろうか? なにせ、ヴィジュアルがヴィジュアルなだけに、食べる時にはあまり顔は拝見したくない。
「ぶつ切りにしてムツゴロウと一緒に味噌汁にいれると、いい味するとですよ。でも、いちばんのうまかつは“もくさん”ですよ」
 もくさんとは、ワラスボを一度揚げてみりんと砂糖に漬込み、それをカラカラになるまで、約1週間天日で干した後、塩粒ほどの大きさまで粉々にしたものだ。
「こるがうまかつ。ご飯にかければ何杯でもいけるし、ちょっと醤油をたらして湿らせたら、ビールのつまみも最高とたい」
  すごくおいしそうだ。また、干物を唐揚げにするのもおすすめなのだとか。
  で、そのもくさんはどこで手に入るのだろうか?
「空港には売ってあると思います。一升瓶で1万円だったかな」
  なにせ、手間ひまのかかっている『もくさん』。今でこそ袋売りだが、昔は虫よけのために瓶で売られていたらしい。その名残りで、今でも1合、一升で換算されるようだ。
  ちなみに、1合なら1000円程度が相場のようだ。
「最近は、有明海もいろいろあるけん。獲る人もようと少なくなっとるとですよ」





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