成りはでかいが、態度は控えめ
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桜島。この活火山があったからこそ、誕生したといえる(写
真提供/鹿児島県桜島町企画調整課) 栽培風景。現在は非常に限られた場所でしか見ることができない 今度は来年の2月にイベントが予定されている 大会優勝者の大野学さん作の桜島大根。円周1286cm、重さ29.6kg 。この記録はギネスブックに掲載されたそうです。 (写真提供/JAグリーン鹿児島 桜島統括支店) |
桜島大根は、その独特のシルエット、重量
感、存在感で、日本全国はおろか、ギネスブックにも登録されるなど、全世界的にメジャーな野菜だ。ほどよい柔らかさと、甘味のある果
肉の味わいが特徴で、ブリ大根や刺身のけんとして食されることが多い。 桜島大根の由来は、諸説いろいろ。ただ、 1804年に出された薩摩藩の書物に桜島大根の記述があることから、存在自体は200年前にまでさかのぼることができるらしい。 活火山である桜島の土壌が、桜島大根を育むに適していたことは間違いはない。 桜島の土壌は、「ボラ土」と呼ばれている。火山灰によって表面はねずみ色をしており、その下には軽石を砕いたような、やや粒のあらい砂が体積。桜島独特の柔らかい土が、大根を圧迫することなく、横に成長することを促しているのではと考えられているそうだ。 桜島以外の土地でも採れないことはないが、味が全く違うらしい。当然、桜島大根とも呼ばない。 ひと株作るのに必要な種は20〜30粒。これを順調に発育させ、最終的にはひとつにまで絞り込む。必要な株といらない株を見極める「間引き」の感性が、桜島大根作りには大事なのだとか。 しかし地元鹿児島では、スーパーや食卓に並ぶことはほとんどないそうだ。 栽培が困難であり、実作業を行う農家がその重さを嫌うことから、収穫量が非常に少ないためだ。 現在、生産されている桜島大根の数は、年間で約2万4000株。作付け面積にして10アールほど。鹿児島県の野菜平均作付け面 積が50アールほどだから、わずか1/5ということになる。 生産者に至っては現在10人ほどなのだとか。作られた桜島大根の7割は、加工用として漬物業者に買い取られる。残りは、観賞用として全国に発送。価格にして一玉 約3000円也。 有名なわりには、どうも地元人気が今一つのこの大根を、広く認知してもらおうと、毎年「ブリ大根祭り」が開催される。桜島大根を使った料理が振る舞われえるほか、大きさ、重さで桜島大根世界一を競う品評会も行われている。 |