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[今週の道具]


精子タンク&スポイト

 「牛乳を入れるタンク?」と思ってしまう方もいらっしゃるかと思います。
  実は、このタンクの中には冷凍された牛の精子が
保存されているのです。右の長い針のようなものは、実寸約40cmほどのスポイトです (タンクは高さ約50〜60cmくらい)。
  織田さんを始め、牛の繁殖は精子を購入し、人工受精で行われることがほとんどだとか。
 精子の価格は1000円からで、高い精子になると1万円を越えるものもあるうそうです。 価格帯は牛の品種や能力によってばらつきがあるのだとか。雄の牛から受精させる方法もあるそうですが、受精する確率や牛の能力に差がでるため、あまり行わないそうです。
 受精の際は、スポイトに精子を入れ、雌牛の膣に半分ぐらい挿入して注入。
 現在、織田さんの牧場では受精は完了し、今年の4月頃から出産が始まるのだそうです。



織田牧場の越冬


牛の水飲み場も凍結…。牛たち
のため、織田さんは毎朝水運びを
しています。

 


牛たちも、さすがに冬は寒いみたいです。
「最近は、風邪の当らない斜面に隠れてることもあるよ」と織田さん。また、凍った地面 を歩くことを嫌うのだとか。

 

 南国九州とはいえ、やはり冬はそれなりに寒いものです。
 織田さんの牧場がある阿蘇町は、冬の夜はマイナス10℃にもなる熊本でも極寒の地。 日中でも2〜3℃程度なのだとか。
 去年、放牧をスタートして、初ての冬越えを迎えた織田さんの年末年始の話を聞いてみました。

 織田牧場は、「水がない」という異常事態に見舞われていました。
「水道管が凍結してしまって」と織田さん。
 その結果、水を牧場に運ぶのが、日課として増えてしまったとか。
  運ぶ水は全て牧場の牛たちが飲むためのもの。16頭の牛は1日にして750Pの水を必要とするのだそうです。
そのため、500P入りのポリタンクをトラックに積み、家から500P、牧場の近所にある休憩所から250Pの水をもらって運んでいるのだとか。
「2月くらいまで、復旧しないみたいです…」
水道の凍結は個人で直すには高額な復旧費がかかるため、春を待つしかないようです。

 生き物を扱う仕事をしている織田さんには、正月休みもありません。休みを取る時には、「ヘルパー」と呼ばれる専門のお手伝いさんは1日約2万円で雇わなくてはいけないのだそう。
 元旦も仕事の織田さん。かわりに今年のお正月は、 大阪から
ご両親があそびに来てくださったそうです。
 
 去年はとにかく忙しかったという織田さん。
 年内の完成を予定していた牛舎作りが遅れていること、牛に与える補助飼料の変更、牛の出産など、年内に行おうと思っていた理想図とずれてしまった部分の修正を今年の
目標に掲げて、今年一年をがんばっていきたいのだそうです。






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