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金重島
 


金重島にビーチング



重夕食の食材をゲットした高橋さんの勇姿。まさにロビンソン・クルーソー状態である


アジも塩焼きに


完全現地調達の食事である サワラを刺身と塩焼き用にさばくの図。ボーティング・ファミリーにお裾分けしたら大変喜ばれました


ワイルド刺身


なんとなくうら悲しい最後の晩餐

 

 金重島は三日月形をした島だった。凹んだ部分にきれいなビーチがあって、その奥に草むらが広がっている。キャンプをするには絶好のロケーションである。

 誰が見ても魅力的な場所だけに、先客もいた。シーカヤッカーが2組4名と、ボートで来ている家族連れ1組4名である。

 ビーチの中央にゆっくりアプローチ。水深を見ながら少しずつ船外機を上げて岸に近づく。最後にエンジンを切ってチルトアップ。惰性で着岸した。

 上陸すると、テキパキとテントを設営。もう2週間ほど毎日設営しては撤去するということを繰り返しているので、慣れたものである。高橋さんともあうんの呼吸で、ねぐらの確保とかまど作り、火起こしの作業があっという間に完了する。

 気付けば砂浜に立った自分の影が長く伸びて海の中に入り、ボートは黄金色に染まっている。クーラーの中から高橋さんが釣り上げたカマスを取り出し、刺身と塩焼き用にさばく。とても2人では食べきれないので、家族のグループに差し入れる事にした。

「この島は昔、米軍の保養施設として使われていたらしいです。桟橋もあったんですが、引き渡しの時に取り壊したようですね。まあ、その方が人があまりこなくていいですけど」

 ヤマハのハードトップクルーザーに乗ってきたそのお父さんが教えてくれた。
「九州一周ですか、あの船で」

 お返しにと差し出してくれたビールを飲みながら、台風に虐められた話やバウ沈しそうになった話、キャンプ生活の話などをひとしきり披露した。40代半ばだと思われるそのお父さんは、ちょっとうらやましそうに微笑みながら「そうですか、そうですか」と何度も頷いてくれた。
(つづく)


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