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練る場所探し
 


今回の公開中、もっとものんびりした行程になった



金重島

 

 8月12日。7月31日の出港から13日が経っていた。予定の日数はとうに超えていたから、仕事の事が気にならないではなかった。

  しかし、考えても仕方ない。今は海の上、長崎西方海上にいるのである。「見積は? 納期は?」とせっつかれてもどうしようもない。

 平戸島西岸でのトローリングは不発に終わった。島の南端を回り込み、東へ。かなり大回りをして九十九島湾の方へ向う。エンジンは5500〜6000回転。24〜25ノットでの快調な走りだ。

 九十九島は九州の中でも特に気に入っている場所のひとつ。とにかく、たくさんの島があって、海図を見ただけでわくわくしてしまいそうな場所である。
  鹿子前で昼食を確保し、大きく入り組んだ島の入江で昼寝。久しぶりの、のんびり気分を味わう。

 釣りへの情熱はなぜかしぼんでしまい、やる気のないサビキ釣りでアジを釣り上げた。通 り道に養殖筏を併設した活魚店があったので、そこで夜のバーベキュー用のサザエを追加する。

「キャンプしたいんですけど、手頃な島はないですか?」
「ここら辺の島はやたらにキャンプせん方がよかよ。満潮になると浜がなくなるけんね」
「どこかおすすめは?」
「一番いいのは重光島かな」
「金重島?」
「昔は米軍が使ってた島だけど、今は一般に開放されとる」

 なんだか面白そうである。場所を大雑把に聞いて、ボートに乗り込む。10分くらいの距離だということだ。
(つづく)


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