平戸島
朝食と釣りエサの確保で平戸島へ上陸。しかし、あまりの暑さに呆然となる。
このままの格好で町中を歩いていたら、奇異の目で見られた。釣具屋のおばちゃんは「ロビンソ・クルーソーみたい」。まさに漂流者だ
生月島の北端、大婆鼻。ここも以前陸路で訪れたことがあるが、その美しさに「この海を自分のボートで走りたい」と思ったのを憶えている。それが実現したのだ。思えば叶うものである
平戸島の西岸をトローリング。主機を上げ、補機で走ってみる。馬力は小さいながら、心強さの面
でもありがたかった
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午前9時。朝食とエサを仕入れるために、平戸港に入る事にした。
ここも静かで、雰囲気のあるいい港である。船尾からアンカーを打ち、船首を岸壁につけるとさっそく上陸。近所の食堂にもぐり込む。
腹ごなしを済ませると釣具屋へ。何が釣れるか分からないので、オキアミとゴカイと氷を買ってボートに戻る。
「それにしても暑いですね」
午前中だというのに、すでにうだるような熱気である。アスファルトの上を歩いていると、よけいにそれがこたえる。
「はやく海の上に戻りましょう」
すっかり、海の上が住処となっている。
平戸港から佐世保沖の九十九島へは、平戸島の東岸を下れば20マイルたらずの距離なのだが、時間も早いし、天気もいいので外洋となる島の西側を通
って行くことにした。ルアーを流すことも目的のひとつである。
平戸島の北西に位置する生月島の北側を大回りし、そこから南下しながらトローリング。海はどこまでも碧く、穏やかである。
(つづく)
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