週末を過ごす場所と、食材への関心
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アウトドア的な遊びは大変好きだし、キャンプなんかもよく行く方だと思う。でも、年を重ねるごとに“イベント的アウトドア”ではなくて、日常生活の延長線上にあるアウトドア、つまり“週末はいつもここにいます”的野外生活環境を強く求めるようになった。 普通だとここで別荘やログハウス、なんて話になるのだろうが、残念ながらそんな甲斐性は微塵もない。では、どうしたら思いは遂げられるのだろうか。悶々とした日々を送っていた。 その頃、食事で口にするものに対する興味というか、関心が急速に高まっていた。正確に言えば、食材の出所が気になり始めたのである。「やっぱり、自分で作るしかないかな」。そんな気にもなっていた。 そんな時、1冊の本と出会った。本屋でふと目が止まり、3619円もしたのに、我慢できずに衝動買いしてしまった。タイトルは「小屋の力」。 ページに目を通しながら、心臓がドキドキした。何だか分からないけれど、非常に興奮した。 こんな本が編集できるうらやましさもあった。 でも、それだけではない。 そうだ、小屋だ、小屋なら自分で作れる。そこを週末の住処にして、野菜作りに勤しもう。 |
「小屋の力」 (ワールドフォトプレス刊) |
それからものすごい勢いでイメージが膨らんでいった。 |
そして、小屋の目の前で、畑を耕すのである。 ベランダの菜園だけでは作りきれない野菜を育てて、秋には仲間を呼んで収穫祭を開くのだ。新鮮な素材で料理を作って、みんなに振る舞おう。たくさん採れたら、東京にいる友人たちに送ってもいい。みんな羨ましがってくれるに違いない。ほらほら、楽しくなってきたではないか。 要は、畑に常設のプライベートキャンプ場を作るようなものである。週末はそこで過ごすことに決めよう。 本当にそんな贅沢なことができるのか、見当もつかないが、まずは始めてみよう。動いてみよう。考えるのはそれからだ。 2001年、秋。 こうして、場所探しと小屋の設計図作りが始まった。 (つづく) |